「このメールは送信ドメイン認証が行われておりません」の意味と対処法
2025-06-06
ドコモメールなどでメールを受信したとき、本文の冒頭に『このメールは送信ドメイン認証が行われておりません』という警告メッセージが表示されることがあります。
受け取った側にとっては「このメールは危険なのだろうか」と不安になりますし、送る側にとっては「自社のメールに警告が出ていると取引先に指摘された」という困った事態になります。
この記事では、この警告が何を意味するのか、受信者・送信者それぞれの立場でどう対応すればよいのかを解説します。
この警告は何を意味しているのか
結論から言うと、この警告は「このメールが、名乗っているとおりの送信者から届いたものかどうかを、確認できませんでした」という意味です。
メールの世界では、差出人のアドレスを偽装することが技術的に可能です。実在する企業になりすまして送られるフィッシングメールが、その代表例です。これを防ぐために作られたのが送信ドメイン認証という仕組みで、主に次の3つの技術で構成されています。
- SPF:どのサーバーからの送信を許可するかを、あらかじめ宣言しておく仕組み
- DKIM:電子署名によって、送信元が正当で、内容が改ざんされていないことを証明する仕組み
- DMARC:SPFとDKIMの結果をもとに、認証に失敗したメールの扱い方を指示する仕組み
この設定がされていないメールに対して、受信側が「確認できませんでした」と注意を促しているのが、あの警告メッセージです。
【受信した方へ】このメールは危険なのか
まず落ち着いていただきたいのは、警告が出ている=詐欺メールである、と断定はできないということです。送信元が設定を行っていないだけで、内容は正当なメールというケースも数多くあります。
ただし逆に、「なりすましではない」と証明できていないのも事実です。安全とも危険とも判定できない、いわばグレーな状態だと理解してください。
判断するときのポイント
次のような点を確認すると、リスクを見極めやすくなります。
- 心当たりのある相手からのメールか:取引先や、自分が登録したサービスからのものか
- 不自然に急かしていないか:「至急」「アカウント停止」など、慌てさせる文面は要注意
- 個人情報やパスワードを求めていないか:金融機関などが、メールでこれらを尋ねることはありません
- リンク先のURLは正しいか:公式のドメインと微妙に異なる文字列になっていないか
少しでも不審に感じたら、メール内のリンクは開かず、公式サイトや、これまで使ってきた連絡先から直接確認するのが安全です。
【送信する方へ】なぜ自社のメールに警告が出るのか
自社から送ったメールに警告が表示される場合、原因は送信ドメイン認証、とくにDMARCが設定されていないことにあります。
この流れは年々強まっています。2024年2月にGmailが送信者への要件を大幅に強化し、大量にメールを送る送信者にはDMARC対応が事実上必須となりました。その後、各社でも対策が進み、認証されていないメールに警告を表示する動きが広がっています。
ドコモメールでの警告表示
ドコモでは、2025年1月から「なりすましメール警告表示」機能の提供が始まりました。これにより、送信ドメイン認証が行われていないメールには、冒頭で紹介した警告メッセージが表示されるようになっています。
Gmailでの表示
Gmailでも、認証されていないメールについては、「原文を表示」でヘッダー情報を確認すると、なりすましの可能性を示唆する情報が確認できる場合があります。また、差出人欄に「?」マークが表示されるなど、受信者に注意を促す表示が行われることもあります。
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警告を表示させないための対処法
送信側で行うべき対応は、送信ドメイン認証を正しく設定することです。手順の全体像は次のとおりです。
ステップ1:SPFを設定する
自社ドメインのDNSに、送信を許可するサーバーを宣言するTXTレコードを追加します。メール配信システムや、メールサーバーの提供元が指定する内容を登録します。詳しくはSPFレコードの設定方法をご覧ください。
ステップ2:DKIMを設定する
電子署名の仕組みを有効にし、公開鍵をDNSに登録します。利用しているメールサービス側で鍵を発行し、指示されたレコードを設定するのが一般的です。詳しくはDKIMの解説をご確認ください。
ステップ3:DMARCを設定する
SPFとDKIMが正しく動作していることを確認したうえで、DMARCのTXTレコードをDNSに追加します。
ここで重要なのが、いきなり厳しい設定にしないことです。DMARCには、認証に失敗したメールの扱いを指定する項目(p)があり、「何もしない(none)」「隔離する(quarantine)」「拒否する(reject)」の3段階があります。
最初はp=none から始めてください。いきなり reject にすると、設定漏れがあった場合に、正当な自社メールまで届かなくなる恐れがあります。まずは none でレポートを受け取り、自社のメールが正しく認証されていることを確認してから、段階的に強化していくのが安全な進め方です。
ステップ4:設定を確認する
設定後は、実際に自分宛にメールを送り、正しく認証されているかを確認します。Gmailであれば「原文を表示」で、SPF・DKIM・DMARCがそれぞれ「PASS」になっているかを確認できます。オンラインのチェックツールを利用する方法もあります。
対応しないとどうなるか
警告が表示されるだけなら、と考えるのは危険です。実際には、次のような影響が想定されます。
- 信頼性を損なう:取引先や顧客が警告を見れば、企業の管理姿勢に不安を抱きます
- 到達率が下がる:警告表示にとどまらず、迷惑メール判定や受信拒否につながる可能性があります
- なりすましを防げない:自社ドメインを騙ったフィッシングメールへの対策ができません
メールの届きやすさ全般については到達率の解説や、ブラックリストの確認方法もあわせてご覧ください。
よくある質問
Q. 設定は誰が行うのですか?
DNSの設定変更が必要になるため、自社ドメインを管理している担当者、またはドメイン管理を委託している事業者が行います。社内にDNSを扱える方がいない場合は、ドメイン取得元やサーバー提供元に相談してください。
Q. 設定すればすぐ警告は消えますか?
DNSの変更が広く反映されるまでには、数時間から1日程度かかることがあります。しばらく時間をおいてから、再度確認してみてください。
Q. メール配信システムを使っていれば、自動的に対応されますか?
サービスによって異なります。システム側が認証に対応していても、自社ドメインのDNSに所定のレコードを登録する作業は必要になるのが一般的です。利用中のサービスの案内を確認してください。
まとめ
「このメールは送信ドメイン認証が行われておりません」という警告は、そのメールがなりすましでないことを確認できなかった、という意味です。受信した方は、内容や差出人に不審な点がないかを確かめ、心当たりがなければリンクを開かないようにしてください。
送信する側にとっては、SPF・DKIM・DMARCを設定することが解決策になります。今後こうした警告表示は各社に広がっていくと考えられるため、まだ未対応であれば、早めに準備を進めておくことをおすすめします。
また、メールが届かない原因の全体像は、メールが届かない原因と対処法でまとめて解説しています。
送信ドメイン認証の設定は、DNSの知識が必要で、つまずきやすい作業でもあります。当サイトが提供するメール配信システム「メール商人」は、SPF・DKIM・DMARCに標準対応しており、設定方法についてもお電話でサポートいたします。「自社のメールに警告が出ている」「何から手をつければよいか分からない」という場合は、お問い合わせいただくか、30日間の無料トライアルでお試しください。




