メール配信到達率について
メルマガ配信において、到達率(Deliverability)は極めて重要な要素です。読者の受信トレイにメールがしっかり届かないと、せっかくのコンテンツや情報発信が十分な価値を生み出しません。メール配信システムを選定時には、以下の点に注意することが重要です。
1.送信インフラの品質と評判
専用IPアドレスまたは信用度の高い共有IP:
信頼性が高く、スパム送信歴がないIPアドレスを利用しているメール配信システム運営会社であることを確認する。また、専用IPを利用できるオプションがある場合、独自の送信量や配信実績に応じてIPの信用度を自社で高められるため、有利となることが多いです。
メール配信時に、メールが送信できなかった場合、自動的に送信元のIPアドレスを別のIPに切替を行います。
そのため、高速性を損なうことなくメール配信を継続して配信することができます。
2.ドメイン認証機能のサポート
配信システムがこれらの標準的な認証プロトコルに対応しているかどうかは必須事項です。これらを正しく設定することで、なりすましや改ざん対策になり、受信者側のメールサーバーやISPからの信頼度が向上しやすくなります。
3.主要ISP・受信プロバイダへの到達率実績・関係性
有名ISP(Gmail、Yahoo! Mail、Outlook.comなど)との関係性や配信実績の優劣は配信システムごとに異なります。メール配信システム運営会社が主要ISPと良好な関係性を築いており、ホワイトリスト化や特別なフィードバックループ(FBL)参加をしている場合は到達率改善が期待できます。
4.フィードバックループ(FBL)
受信者が「迷惑メール」として報告した際、その情報をメール配信システム運営会社側が受け取り、迅速に対処できる仕組みがあるか。また、メルマガ解除率やクレーム率を適切にトラッキングし、それに基づいて送信リストをクリーニングしたり、コンテンツ改善や送信頻度見直しを行えるかどうかが重要になってきています。
5.メール配信レポート・分析機能
開封率、クリック率、バウンス率、スパム報告率などの指標を詳細に分析可能なツールが搭載されていることが大切です。これによりメルマガ送信者は問題箇所の特定や改善策の立案が容易になります。
6.サポート体制
配信時の問題発生時に、迅速かつ専門的なサポートを受けられるかが重要です。メール到達率改善のサポートを行なっている場合、長期的な配信成功率向上に大きく貢献します。
7.コンテンツポリシーやアンチスパム対策の厳格性
メール配信システム運営会社自体が厳格なコンテンツポリシーやスパム対策ガイドラインを持っているかが重要です。これによりシステム全体の評判が悪化しにくく、利用者としても「健全な配信環境」を利用できます。
8.柔軟なターゲティングおよびリスト管理機能
セグメント配信や顧客との関係性に基づくリストクリーニングが簡便であると、メルマガを受信をしているが読んでいない非アクティブユーザーへの不要配信を減らし、スパム報告やバウンスを抑制できます。それが結果的に到達率向上につながリます。
9.メールの暗号化
メールの暗号化によりメールサーバー間の通信が安定し、プロトコルエラーや中断が発生するリスクを抑えます。
メールが途中で破棄される(ハードバウンス)可能性が低下するため、到達率全体が向上します。
総合すると、メール配信システム選定時には、テクニカルな認証機能や配信インフラ品質だけでなく、サポート体制、ISPとの関係性、分析機能、スパム対策ポリシーなど、到達率改善を包括的にサポートする仕組みが整っているかをチェックすることが重要です。