メール商人

メール本文の1行あたりの長さを1000バイト以内にする

2024-08-05 [記事URL]

RFC(Request for Comments)では、メール本文中の1行の長さを1000バイト以内にするように記載されています。

※RFC(Request for Comments)は、インターネットやネットワーク技術に関する標準や仕様、ベストプラクティスを定義する公式文書のことです。

電子メールの書き方を規定しているRFC5322では、「改行(CRLF)を除いて、1行は998文字を超えてはならない」と規定していて、電子メール転送のための基本プロトコル(SMTP)を規定しているRFC5321でも、「改行(CRLF)を含む1行の最大長は1000オクテット(=1000バイト)である」と規定されています。

GmailやAppleが公開しているベストプラクティスでは、メール本文の1行の長さについての明記はございませんが、RFC5322に準拠したメールで配信を行うよう記載されています。

また、携帯キャリア各社でも配信されるメールがRFCに準拠していることが大前提となり、特にDocomo宛のメールに関しては、メール本文中の1行の長さが1000バイト(998文字)を超えると、エラーとなり、正常に配信が行われません。

他のキャリアでもメール本文中の1行の長さが1000バイト(998文字)を超えると、部分的にメールの文章が文字化けしていまいます。

特に、エディタを利用してHTMLメールを作成する場合は、ソースコードが長くなる場合がございますので、ご注意下さい。

※Shift_JISエンコーディングにおいて、英数字(アルファベットや数字、一般的な記号)は1文字あたり1バイトを使用します。したがって、英数字のみの場合、1000バイトは1000文字に相当します。

このように、正常に配信が行われない宛先も出てきますので、メール本文中の1行の長さは1000バイト(改行含む)以内で配信を行うよう心がけましょう。

また、メールが届かない原因の全体像は、メールが届かない原因と対処法でまとめて解説しています。


メールのブラックリスト確認方法|チェックサイト4選と解除手順

2024-07-22 [記事URL]

「送ったはずのメールが相手に届かない」「特定の会社にだけメールが弾かれる」——その原因が、メールサーバーのブラックリスト登録にあるケースは少なくありません。

ブラックリストに登録されると、受信側のサーバーがメールを拒否したり、迷惑メールフォルダに振り分けたりするようになります。厄介なのは、送信側には気づくきっかけがほとんどないという点です。エラーが返らないまま、静かに届かなくなっていることもあります。

この記事では、ブラックリストへの登録状況を確認する方法から、登録されてしまう原因、解除の手順、そして予防策までをまとめて解説します。とくに新しくメール配信を始める方、配信量を増やそうとしている方は、運用開始前に一度確認しておくことをおすすめします。

メールのブラックリストとは

ここでいうブラックリストとは、迷惑メール対策団体などが管理している「迷惑メールの送信元」として登録されたIPアドレスやドメインのデータベースのことです。DNSBL(DNS Blocklist)やRBLとも呼ばれます。

世界中の多くのメールサーバーが、受信時にこのデータベースを参照しています。送信元が登録されていれば、その時点で受信を拒否する、あるいは迷惑メールと判定する、といった処理が自動的に行われます。つまり、メールの内容がどれだけ正当でも、送信元が登録されていれば届かないのです。

IPアドレスのブラックリストとドメインのブラックリスト

混同されやすいのですが、ブラックリストには対象の異なる2種類があります。

  • IPアドレスのブラックリスト:メールを送信したサーバーのIPアドレスが対象。最も一般的で、影響も大きい
  • ドメインのブラックリスト:送信者のドメインや、メール本文に含まれるURLのドメインが対象

調査の際は、両方を確認するようにしてください。IPアドレスは問題なくても、ドメイン側が登録されているケースもあります。

もう一つの「見えないブラックリスト」

あわせて知っておきたいのが、GmailやYahoo!メールなどの大手プロバイダは、公開されたブラックリストとは別に、独自の評価(レピュテーション)を持っているという点です。迷惑メール報告の割合、配信エラーの多さ、送信ドメイン認証の状況などをもとに、送信元を独自に評価しています。

そのため、「どのブラックリストにも載っていないのに、Gmailにだけ届きにくい」という状況も起こり得ます。この場合は、後述する予防策の観点から運用全体を見直す必要があります。

ブラックリストの登録状況を確認する方法

確認は無料のチェックサイトで行えます。ここでは代表的なものを紹介します。

手順1:自社のメールサーバーのIPアドレスを調べる

まず、確認対象となるIPアドレスを把握します。自社の送信サーバーのIPアドレスが分からない場合は、DNSルックアップツールで調べられます。MXToolboxのDNS Lookup機能にドメイン名を入力すると確認できます。

サーバー会社やレンタルサーバーを利用している場合は、管理画面や提供元のドキュメントに記載されていることもあります。

手順2:ブラックリストチェッカーで照会する

調べたIPアドレス(またはドメイン)を、以下のいずれかのサイトに入力してチェックを実行します。

  • MXToolbox:多数のブラックリストを一括照会できる定番ツール。まずはここから確認するのがおすすめです
  • Spamhaus:世界的に参照されている代表的な団体。影響範囲が広いため、必ず確認したいリストです
  • Proofpoint:主にiCloud(Apple)で参照されているブラックリストです
  • DNSBL.info:多数のDNSBLをまとめて確認できます

手順3:結果を確認する

登録がなければ「OK」や「Not Listed」などと表示されます。登録されている場合は「Listed」と表示され、どのリストに登録されているか、その理由は何かが示されることが多いので、内容を確認してください。

なお、ブラックリストは数百種類存在します。すべてに載っていないことを目指す必要はありません。重要なのは、Spamhausをはじめとする影響力の大きい主要なリストに載っていないかです。

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ブラックリストに登録されてしまう主な原因

身に覚えがないのに登録されている、ということもあります。主な原因を知っておくと、対処と予防の両方に役立ちます。

1. 無効なアドレスへの大量送信

存在しないアドレスに送り続けると、「宛先の管理ができていない送信者」とみなされ、評価が下がります。古いリストをそのまま使い続けている場合は要注意です。

2. 同意を得ていない相手への配信

受信者が迷惑メール報告をすると、その情報は送信元の評価に直結します。報告が積み重なると、ブラックリスト登録につながります。

3. スパムトラップへの送信

迷惑メール対策団体は、スパムトラップと呼ばれる「収集業者しか知り得ないアドレス」を仕掛けています。ここにメールが届くと、不適切な方法でリストを入手した送信者と判断され、登録される可能性が高くなります。長期間使われていないアドレスがトラップに転用されることもあるため、古いリストの放置はここでもリスクになります。

4. 同一サーバーの他利用者の影響

共用サーバーの場合、同じIPアドレスを使う他の利用者が迷惑メールを送った結果、自社まで巻き添えになることがあります。自社に落ち度がなくても起こり得る、厄介なケースです。

5. 新しく取得したIPアドレスの「前歴」

意外に多いのがこのケースです。新しく割り当てられたIPアドレスが、過去に迷惑メールの配信に使われていたために、使い始めた時点ですでに登録されている、ということがあります。だからこそ、本格運用を始める前の確認が重要になります。

6. マルウェア感染や設定の不備

社内のPCがマルウェアに感染して大量送信の踏み台にされる、あるいはメールサーバーが第三者に不正利用される設定(オープンリレー)になっている、というケースもあります。

ブラックリストから解除する手順

登録が判明した場合は、次の流れで対応します。

ステップ1:原因を取り除く

解除申請の前に、まず原因を解消してください。原因が残ったままでは、解除されてもすぐに再登録されます。無効アドレスの除去、配信リストの見直し、感染や設定不備の修正などを先に済ませます。

ステップ2:登録元のリストで解除申請を行う

チェック結果に表示されたリストの運営サイトへアクセスし、解除(Delisting/Removal)の申請フォームから手続きします。多くの場合、対象のIPアドレスを入力し、原因と対策の内容を説明する形式です。リストによっては、一定期間が経過すると自動的に解除されるものもあります。

ステップ3:解除を確認する

申請後、反映までには時間がかかることがあります。しばらく待ってから、再度チェックサイトで状況を確認しましょう。

【重要】解除申請ができるのは誰か

ここは必ず押さえておきたい点です。解除を申請できるのは、原則としてそのIPアドレスを管理している側(サーバー管理者やサービス提供元)に限られます。共用サーバーやレンタルサーバーを利用している場合、利用者が個別に申請することはできません。その場合は、速やかにサーバー提供元に連絡し、対応を依頼してください。

ブラックリスト登録を防ぐための対策

解除は手間も時間もかかります。登録されない運用を続けることが、結局は最も確実です。

  • 送信ドメイン認証を設定する:SPF・DKIM・DMARCを正しく設定し、正当な送信者であることを証明します。2024年2月以降、GmailやYahoo!メールでは、これらへの対応が事実上必須となっています
  • 同意を得た相手にだけ送る:オプトインを徹底し、迷惑メール報告のリスクを下げます
  • エラーアドレスを自動で除外する:配信のたびに返るエラー(バウンス)を検知し、無効なアドレスを配信対象から外します
  • 配信停止を簡単にする:解除しにくいと、読者は「迷惑メール報告」を選んでしまいます
  • 古いリストを定期的に整理する:長期間反応のないアドレスは、スパムトラップ化のリスクもあります
  • 定期的にチェックする:問題が起きてからではなく、平常時から状況を確認しておきます

より広く「メールが届かない」問題への対策については、メルマガが迷惑メールになる原因と対策や到達率の解説もあわせてご覧ください。

また、メールが届かない原因の全体像は、メールが届かない原因と対処法でまとめて解説しています。

まとめ

メールが届かないとき、送信元のブラックリスト登録は真っ先に疑うべき原因のひとつです。MXToolboxやSpamhausなどのチェックサイトを使えば、IPアドレスとドメインの登録状況をすぐに確認できます。

登録されていた場合は、原因を取り除いたうえで解除申請を行います。ただし申請できるのはサーバー管理者に限られるため、共用サーバーを利用している場合は提供元への連絡が必要です。

そして何より重要なのは、登録されない運用を続けることです。送信ドメイン認証の設定、オプトインの徹底、エラーアドレスの整理——この3点を押さえておけば、リスクは大きく下がります。定期的なチェックとあわせて、習慣にしておきましょう。


自社サーバーでメールを配信している場合、ブラックリストの監視や送信ドメイン認証の管理、エラーアドレスの処理までを自前で行うのは、決して軽い負担ではありません。メール配信システムを利用すれば、その多くをシステム側に任せられます。

当サイトが提供する「メール商人」は、SPF・DKIM・DMARCに標準対応し、エラーアドレスの自動処理や配信停止機能も備えています。配信環境の管理は当社が行うため、届きやすさを保ちながら配信に専念いただけます。メールが届かずお困りの方は、30日間の無料トライアルでお試しください。ご不明な点は、お電話でもご相談いただけます。


定期的にアドレスクリーニングを実施する

2024-07-09 [記事URL]

皆さんは、定期的に自分の顧客リスト(メールアドレス)をクリーニングしているでしょうか?

携帯電話は直接個人の手元にメールが届くため、迷惑メールの標的になりやすく、そのため頻繁にメールアドレスを変更される利用者も少なくありません。

また、初めにメルマガのリストを登録した時から、時間が経過している場合は、メールアドレスを変更されるケースが多くなっています。

そのため、大量の宛先不明メールが原因で、受信者側サーバー(ISP、プロバイダー)の一部設備が輻輳し、メールが届かない、遅延する、もしくはキャリア側で迷惑メールと判断し受信制御されてしまうといった恐れがあります。

その為、定期的に情報をメール配信するなどして、既に使われなくなったメールアドレスをアドレスリストから削除し最新の状態に保つ(アドレスクリーニング)ことをお勧めします。

また、利用者が該当メールアドレスの使用をやめた後、別の利用者による再取得などでメールアドレスの所有者が変わっていることも考えられるので、情報漏え防止の為にも定期的にアドレスクリーニングを行いましょう。

メールアドレスのクリーニング方法

メルメルマガ配信者が定期的に自分の顧客リスト(メールアドレス)をクリーニングする方法は以下のようになります。

1.恒久的な配信エラーの除去:

メールが送信されるたびに、配信エラー(ハードバウンス)が発生したメールアドレスをリストから削除します。ハードバウンスは永久的なエラーを示し、存在しないメールアドレスなどが原因です。

2.一時的な配信エラーの監視:

数回の試行後も一時的な配信エラーが続くメールアドレスはリストから削除します。

3.非アクティブユーザーのフィルタリング:

一定期間(例えば6ヶ月以上)メールを開封していない、またはリンクをクリックしていないユーザーをリストから削除します。これにより、関係性の低いアドレスを除外できます。

4.ダブルオプトインの利用:

新規登録者には確認メールを送信し、リンクをクリックしてメールアドレスを確認する仕組みを導入します。これにより、無効なアドレスの登録を防げます。

5.購読解除リンクの明示:

メールのフッターに購読解除リンクを明示的に配置し、簡単に解除できるようにします。これにより、興味を失ったユーザーがリストから自発的に削除されます。

6.顧客リストの定期的なレビュー:

定期的にリストを確認し、手動で不正確なデータや重複を削除します。

メールアドレスクリーニングの効果

メールアドレスクリーニングのメリットは多岐にわたります。以下に主要なメリットを説明します。

1.配信率の向上:

ハードバウンスや無効なメールアドレスを除去することで、メールの配信率が向上します。これにより、より多くの受信者にメールが確実に届くようになります。
スパムフォルダ入りのリスク軽減:

配信エラーが多いと、送信ドメインの信用度が下がり、メールがスパムフォルダに入るリスクが高まります。クリーニングによってこのリスクを軽減できます。

2.顧客関係性の向上:

非アクティブなユーザーをリストから除去することで、メールを開封し、リンクをクリックする可能性が高い受信者だけが残ります。これにより、メールキャンペーンの成約率が向上します。

3.コストの削減:

多くのメールサービスプロバイダ(ESP)は、送信するメールの数やリストのサイズに基づいて料金を設定しています。無効なアドレスや非アクティブなユーザーを除去することで、不要なコストを削減できます。

4.データ品質の向上:

正確で最新のデータを保持することで、マーケティング戦略の効果を最大化できます。クリーンなリストは、ターゲティングの精度を高め、より効果的なパーソナライゼーションを可能にします。

5.顧客満足度の向上:

無関係なメールを送らないことで、受信者の満足度を向上させることができます。購読解除率の低下や苦情の減少につながります。

6.ビジネスの信頼性向上:

高品質なリストを持つことは、ビジネスの信頼性を高め、送信者の評判を守ることに貢献します。

これらのメリットにより、メールアドレスの定期的なクリーニングは、メールマーケティングの成功に欠かせない重要な要素となります。


DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting & Conformance)について

2024-07-02 [記事URL]

DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting & Conformance)は、SPF(Sender Policy Framework)やDKIM(DomainKeys Identified Mail)と連携して、メールの送信元を認証し、不正なメールの送信を防ぐためのプロトコルです。(認証結果の管理ポリシー) DMARCを導入することで、なりすましメール(フィッシングメールやスパムメール)の防止と、メールの信頼性向上を図ることができます。

DMARCの基本的な仕組み

DMARCポリシーの設定:

ドメイン所有者は、DMARCポリシーをDNS(Domain Name System)にTXTレコードとして設定します。このポリシーには、SPFやDKIMの認証結果に基づいて、メールがどう扱われるべきか(許可、隔離、拒否)が記載されています。

メール送信時の認証:

メールが送信されると、受信者のメールサーバーはまずSPFやDKIMによって送信元の認証を行います。DMARCは、この認証結果をもとにポリシーを適用します。

認証結果の評価とポリシーの適用:

DMARCポリシーは、SPFやDKIMの認証結果に基づいて、メールの処理方法を指示します。例えば、認証に失敗した場合はメールを拒否する、隔離する、または許可するなどの指示が含まれます。

レポートの生成と送信:

DMARCは、受信者のメールサーバーから認証結果に関するレポートをドメイン所有者に送信します。これにより、ドメイン所有者は、どのメールが認証に成功し、どのメールが失敗したかを把握できます。

DMARCの利点

なりすましメールの防止:

DMARCは、SPFやDKIMと連携して、送信元が正当であることを確認し、不正なメールをフィルタリングします。これにより、フィッシングやスパムのリスクが大幅に減少します。

メールの信頼性向上:

DMARCを導入することで、受信者のメールサーバーは送信元ドメインが信頼できるものであると判断しやすくなります。これにより、正当なメールが受信箱に届きやすくなります。

レポートによる監視と改善:

DMARCは、認証結果に関する詳細なレポートを提供します。ドメイン所有者はこれを分析して、メール認証の問題を特定し、改善することができます。

具体的な例

例えば、あなたの会社のドメインが「yourcompany.com」で、DMARCポリシーを設定する場合、DNSに以下のようなTXTレコードを追加します。

_dmarc.yourcompany.com IN TXT “v=DMARC1; p=reject; rua=mailto:dmarc-reports@yourcompany.com; ruf=mailto:forensic-reports@yourcompany.com; adkim=s; aspf=s”

このポリシーの意味は以下の通りです:

v=DMARC1:DMARCのバージョンを示します。
p=reject:認証に失敗したメールを拒否するよう指示します。
rua=mailto @yourcompany.com:認証結果の集計レポートを受け取るメールアドレスを指定します。
ruf=mailto @yourcompany.com:詳細なフォレンジックレポートを受け取るメールアドレスを指定します。
adkim=s:DKIMのアライメントモードを「strict(厳格)」に設定します。
aspf=s:SPFのアライメントモードを「strict(厳格)」に設定します。

まとめ

DMARCは、SPFやDKIMと連携してメールの送信元を認証し、不正なメールの送信を防ぐためのプロトコルです。適切に設定することで、なりすましメールのリスクを軽減し、メールの信頼性を向上させることができます。また、レポート機能を活用して認証結果を監視し、メール認証の精度を改善することができます。

DMARC認証を成功させるため、エンベロープFromメールアドレスと、Fromヘッダメールアドレスのドメインが異なる場合には、Fromヘッダメールアドレスドメインと同一のドメイン(又は サブドメイン)で署名したDKIM署名(※DKIM-Signatureヘッダーのdタグ(d=)値がFromヘッダメールアドレスドメインと同一ドメイン(又はサブドメイン)であるDKIM署名)を付与する必要があります。 またSPF と DKIM を同時に設定することにより、より効果を発揮します。

また、メールが届かない原因の全体像は、メールが届かない原因と対処法でまとめて解説しています。


DKIM(DomainKeys Identified Mail)について

2024-07-01 [記事URL]

メール認証技術の一つであるDKIM(DomainKeys Identified Mail)について説明します。

DKIMは、メールの送信元のドメインを確認し、メールの内容が改ざんされていないことを証明するための認証技術です。(メール本文改ざん防止認証)DKIMを使用することで、受信者はメールが正当な送信元からのものであり、途中で改ざんされていないことを確認できます。

DKIMの基本的な仕組み

1.メール作成:

・メールが送信されると、メールの本文やヘッダーからハッシュ値(固定長の文字列)が生成されます。
・送信者のメールサーバーは、このハッシュ値を送信者の秘密鍵で署名します。この署名がDKIM署名です。

2.DNSに公開鍵を登録:

・送信者のドメイン(例:example.com)のDNS((Domain Name System))には、公開鍵が登録されています。
・受信者のメールサーバーは、この公開鍵を使って署名を検証します。

3.メール送信:

・署名付きのメールが送信されます。このメールには、DKIM署名が含まれています。

4.メール受信:

・受信者のメールサーバーは、送信者のドメインのDNSから公開鍵を取得します。
・この公開鍵を使って、DKIM署名を検証し、メールの改ざんがないことを確認します。

+————-+
| 送信者 |
| example.com |
+————-+
|
| 1. メール作成
|
+————-+
| メールサーバー|
+————-+
|
| 2. ハッシュ値生成と署名
| 3. DNSに公開鍵を登録
|
+————-+
| DNS |
| (公開鍵) |
+————-+
|
| 4. 署名付きメール送信
|
+————-+
| 受信者 |
| receiver.com|
+————-+
|
| 5. 署名検証
|
+————-+
| メールサーバー|
+————-+
|
| 6. 受信者の確認
|
+————-+
| 受信者 |
| receiver.com|
+————-+

DKIMの利点

メールの改ざん防止:

DKIMにより、送信後のメールの内容が改ざんされていないことを確認できます。これにより、途中で内容が変更されるリスクを減少させます。

送信元の信頼性向上:

DKIM署名を使用することで、受信者はメールが正当な送信元から送信されたものであると信頼できます。これにより、スパムやフィッシングメールのリスクが軽減されます。

メールの配信率向上:

DKIM署名付きのメールは、受信者のメールサーバーによって信頼性が高いと判断されやすくなります。これにより、メールが迷惑メールフォルダに振り分けられるリスクが低くなり、受信箱に届きやすくなります。

具体的な例

秘密鍵と公開鍵の生成:

ドメイン所有者は、秘密鍵と公開鍵のペアを生成します。秘密鍵はメールサーバーに保存され、公開鍵はDNSに登録されます。

メール送信時の署名:

メールを送信する際、メールサーバーは秘密鍵を使用してメールのヘッダーや本文の一部に基づいてデジタル署名を生成し、メールヘッダーに追加します。

DNSに公開鍵を登録:

ドメインのDNS設定に公開鍵を追加します。これは、TXTレコードとして登録されます。

メール受信時の検証:

受信者のメールサーバーは、メールのヘッダーに含まれるDKIM署名を確認し、DNSから公開鍵を取得して署名の検証を行います。署名が有効であれば、メールは信頼できるものと判断されます。

DKIM設定の確認方法

DKIMの確認を行う場合はGmail宛にメールを送信し、Gmailで受信したメールを開き、メニューから「メッセージのソースを表示」をクリックし、DKIM欄が「PASS」となっているかをご確認ください。

まとめ

DKIMは、メールの送信元ドメインの信頼性を確認し、メールの内容が改ざんされていないことを証明するための重要な認証技術です。正しく設定することで、メールの信頼性が向上し、スパムやフィッシングのリスクを軽減し、メールの受信率を向上させることができます。

また、メールが届かない原因の全体像は、メールが届かない原因と対処法でまとめて解説しています。


Gmailセキュリティ対策の準備はできましたか?

2024-06-25 [記事URL]

Gmail のセキュリティ強化に関する続報ご案内いたします。

以前もお話ししたように、今年に入り、Gmail では段階的なセキュリティ強化を実施しております。

今年の2月には、送信者に義務付ける新しい要件が適用され、今年の4月からは、新しい要件を満たしていない送信者に対する規制が本格的に開始されました。

さらに、6月以降にもセキュリティ強化の実施されております。

本セキュリティ強化の影響を受けた事例として、送信IPアドレスの逆引き設定に不備のあった環境でGmail から規制されるようになり、大幅な配信遅延が発生した事例も確認されております。

現在、正常に配信できていても、6月以降のセキュリティ強化のタイミングで規制をかけられるようになる可能性もございますので、Gmail の新しい送信者ガイドライン要件を満たしていない送信者は、急ぎご対応を進めるか、専門家にアドバイスを求めるようにしてください。

Gmail の送信者ガイドライン要件

Gmail の送信者ガイドライン要件を満たすための対策については、以前、ご紹介をしております。

 ⇒ Gmail のセキュリティ強化について

Gmail のセキュリティ強化スケジュール詳細

1回目の規制強化: 2024年2月

送信者ガイドラインに掲載されている要件のうち、以下要件の適用が開始されました。

・SPF認証とDKIM認証

・Gmail From:ヘッダーのなりすまし

(『Gmail From: ヘッダーのなりすまし』とは、送信者が From: ヘッダーに @gmail アドレスを指定してメッセージを送信したが、そのメッセージが Gmail サーバーから送信されたものでない場合を指します。)

・From: ヘッダーの適合

・有効な正引きおよび逆引き DNS レコード

・RFC 5322 に合致する形式のメッセージ

(RFC5322はInternet Message Formatとなっており、電子メールの形式を定義しています。)

・TLS を使用して送信されるメッセージ

※要件を満たしていない場合、要件を満たしていない『一部のメール』で一時的なエラーが発生するようになります。

2回目の規制強化: 2024年4月

2024年2月に適用された送信者ガイドライン要件を満たしていない送信者への規制が本格的に開始されました。受信拒否は段階的に行われ、影響が及ぶのは非準拠のトラフィックのみです。

3回目の規制強化: 2024年6月 以降

さらに以下要件の適用が開始される予定です。

・DMARC認証の設定

・ワンクリックでの登録解除

・ユーザーから報告された迷惑メール率を 0.3% に抑える

エラーコードの例

エラーコード 説明
4.7.23 ip-address: このメールの送信元 IP アドレスに PTR レコードがないか、PTR レコードの転送 DNS エントリが送信元 IP アドレスと一致しません。迷惑メールからユーザーを保護するため、お客様のメールは一時的にレート制限されています。
4.7.27 このメッセージは SPF 認証に合格しなかったため、メールはレート制限されました。Gmail では、すべての一括メール送信者は SPF でメールを認証する必要があります。認証結果: SPF domain-name、IP アドレス: ip-address = 不合格。
4.7.29 このメッセージは TLS 接続経由で送信されたものではないため、メールに対してレート制限が設定されました。Gmail では、すべての一括メール送信者は SMTP 接続に TLS/SSL を使用する必要があります。
4.7.30 このメッセージは DKIM 認証に合格しなかったため、メールはレート制限されました。Gmail では、すべての一括メール送信者は DKIM でメールを認証する必要があります。認証結果: DKIM = 不合格。
4.7.31 送信元ドメインに DMARC レコードがないか、DMARC レコードに DMARC ポリシーが指定されていないため、メールはレート制限されました。Gmail では、すべての一括メール送信者は送信ドメインに DMARC レコードを追加する必要があります。
4.7.32 このメッセージの From: ヘッダー(RFC5322)が、認証済みの SPF または DKIM 組織ドメインと整合していないため、メールはレート制限されました。

また、メールが届かない原因の全体像は、メールが届かない原因と対処法でまとめて解説しています。


入力フォームへのスパム登録の防御策

2024-06-12 [記事URL]

入力フォームへのスパム登録を防ぐためには、いくつかの効果的な対策を講じることができます。以下に、代表的な方法をいくつか紹介します。

1. CAPTCHAの導入

CAPTCHA(Completely Automated Public Turing test to tell Computers and Humans Apart)は、人間とボットを区別するためのテストです。

・reCAPTCHA:Googleが提供する無料のサービスで、画像選択やチェックボックスを使った簡単なテストがあります。

・hCaptcha:プライバシー重視のCAPTCHAサービスで、reCAPTCHAの代替として利用されます。

2. Eメール確認

登録後に確認メールを送信し、ユーザーがメール内のリンクをクリックして登録を完了する方法です。

・ダブルオプトイン:ユーザーが入力したメールアドレスが有効であることを確認するための標準的な方法です。

3. 登録フォームのフィールド数を増やす

スパムボットは通常、簡単なフォームにしか対応できないため、追加のフィールド(入力する項目数)を設けることでスパムを減らすことができます。

・非標準フィールド:例えば、選択式の質問や独自の認証コードを追加することが有効です。

4. Honeypot技術

Honeypot(ハニーポット)は、ユーザーには見えないフィールドをフォームに追加し、スパムボットがこれに入力するかどうかをチェックする方法です。

・CSSで非表示:CSSを使って特定のフィールドを隠し、ユーザーには見えないようにします。ボットがこのフィールドに入力するとスパムと判定します。

5. 制限付きIPアドレス

特定のIPアドレスやIPレンジからのアクセスを制限することで、スパム登録を減らすことができます。

・ブラックリストとホワイトリスト:既知のスパムIPアドレスをブラックリストに追加し、信頼できるIPアドレスをホワイトリストに追加します。

6. フォームのサーバーサイドバリデーション強化

入力データをサーバー側で厳密にチェックし、スパムと思われるデータをフィルタリングします。

・正規表現の使用:メールアドレスや電話番号などのフィールドに対して、正規表現を使ってフォーマットを厳密にチェックします。

7. 登録頻度の制限

同一IPアドレスや同一メールアドレスからの登録頻度を制限することで、スパムを減らすことができます。

・レートリミッティング:一定期間内に許可される登録回数を制限する技術です。

8. 登録できるメールアドレスの制限

入力フォームに登録できるメールアドレスやメールアドレスのドメインを制限して、スパム登録を防ぎます。

これらの対策を組み合わせることで、スパム登録を効果的に減らすことができます。特に、CAPTCHAやEメール確認は即効性があり、スパムを大幅に減らすことが期待できます。

参考1)スパム登とは?
参考2)スパム登録の目的


SPF(Sender Policy Framework)レコードの設定方法

2024-06-10 [記事URL]

SPFSPF(Sender Policy Framework)は、メールの送信元が正当であることを確認するための認証技術です。(送信元ドメイン認証)これにより、スパムやフィッシングメールの防止に役立ちます。以下に、SPFの基本的な仕組みとその利点についてわかりやすく説明します。

SPFの基本的な仕組み

DNSレコードの設定:

ドメイン所有者は、DNS(Domain Name System)にSPFレコードを追加します。このSPFレコードには、そのドメインからメールを送信することが許可されているIPアドレスやメールサーバーの情報が含まれています。

メール送信時のチェック:

メールが送信されると、受信側のメールサーバーは送信元ドメインのDNSレコードを確認します。具体的には、SPFレコードを参照し、そのメールが許可されたIPアドレスまたはメールサーバーから送信されたものであるかどうかを確認します。

認証結果に基づく処理:

受信側のメールサーバーは、SPF認証の結果に基づいて、メールを受信箱に配信するか、迷惑メールフォルダに振り分けるか、拒否するかを決定します。SPF認証に成功したメールは信頼性が高いと判断され、受信箱に届きやすくなります。

SPFの利点

スパムやフィッシングメールの防止:

SPFは、なりすましメール(偽の送信元を装ったメール)が受信者に届くのを防ぐための効果的な手段です。送信元が正当であることを確認することで、スパムやフィッシングメールのリスクを軽減します。

メールの信頼性向上:

SPFを適切に設定することで、受信者のメールサーバーは送信元が信頼できるものであると認識しやすくなります。これにより、メールの受信率が向上し、迷惑メールフォルダに振り分けられる可能性が低くなります。

ブランド保護:

正当な送信元からのメールであることを証明することで、ブランドの信頼性を保護し、顧客からの信頼を維持します。

具体的な例

例1) 自社のドメインが「yourcompany.com」で、自分が使用しているメールサーバーのIPアドレスが「192.168.1.1」とします。この場合、DNSに以下のようなSPFレコードを追加します。

v=spf1 +ip4:192.168.1.1 ~all
v=spf1 +ip4:192.168.1.1 +ip4:168.168.1.2 ~all

例2)自社のドメインが「yourcompany.com」で、自分が使用しているメールサーバーのサーバー名が「mail.example.com」とします。この場合、DNSに以下のようなSPFレコードを追加します。

v=spf1 a:mail.example.com ~all
v=spf1 a:mail.example.com a:mail2.example.com ~all

補足

プロバイダー(メール受信側)が実施している迷惑メール対策(なりすましメール対策)ではDNSの逆引き検索を行い、【エンベロープFromメールアドレスドメイン】及び【Fromメールアドレスドメイン】のSPFレコードをチェックしています。

SPFレコードが正常に登録されていない場合、「なりすましメール」と判定され受信拒否の対象となります。配信に使用している【エンベロープFromメールアドレスドメイン】及び【Fromメールアドレスドメイン】には、必ずSPFレコードの登録を行っていただく必要があります。

※エンベロープFromのメールアドレスは、メールヘッダの「Return-Path」に記載されているため、メーラーでも確認可能です。

▼以下サイトにて、自分のSPFレコードが正しく登録されているか確認できます。
https://mxtoolbox.com/spf.aspx

メールが届かない原因の全体像は、メールが届かない原因と対処法でまとめて解説しています。


なりすましメールとは?

2024-06-10 [記事URL]

なりすましメールとは、一般的に送信者が本物の誰かを装って送られてくる偽のメールのことを指します。

なりすましメールを技術的(システム的)観点から説明すると、メールのヘッダー情報(送信元メールアドレス)に記載されている送信元のドメインと、実際にメールを送信したメールサーバーのドメインが異なっている状態でメールを送信することを指します。

なりすましメールと仕組みと、対策について説明します。

なりすましメールの技術的な仕組み

Fromフィールドの偽装:

攻撃者は、メールヘッダーの送信元メールアドレス(ヘッダーFrom)に偽のメールアドレスを設定します。このアドレスは、誰もが知っている信頼されている有名なドメインや知人のメールアドレスを装うことが多いです。

送信サーバーの違い:

メールは実際には攻撃者が制御するサーバーから送信されます。このサーバーのドメインは、送信元メールアドレス(ヘッダーFrom)に記載されたドメインとは異なります。

受信者側の認証不足:

受信者のメールサーバーが適切な認証技術(SPF、DKIM、DMARCなど)を使用していない場合、なりすましメールが検出されずに受信者の受信箱に届くことがあります。

SPF、DKIM、DMARCによる防止

これらの認証技術は、なりすましメールを防止するために開発されました。

SPF(Sender Policy Framework):

SPFは、ドメイン所有者が許可したメール送信サーバーのリストをDNSに公開する仕組みです。受信者のメールサーバーは、メールが許可されたサーバーから送信されたものであるかどうかを確認します。

DKIM(DomainKeys Identified Mail):

DKIMは、メールのヘッダーと本文にデジタル署名を追加し、送信ドメインがそのメールを実際に送信したことを証明します。受信者のメールサーバーは、この署名を検証して、メールが改ざんされていないことを確認します。

DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting & Conformance):

DMARCは、SPFとDKIMの結果に基づいてメールの処理方法を定義し、なりすましメールの防止に役立ちます。DMARCポリシーは、DNSに設定され、メールが認証に失敗した場合の処理方法(例: 拒否、隔離、受信)を指定します。

なりすましメールの見分け方

メールヘッダーの確認:

メールヘッダーの詳細を確認し、送信元メールアドレス(ヘッダーFrom)と実際の送信メールサーバーのドメインが一致しているかをチェックします。

SPF、DKIM、DMARCの利用:

自分のドメインにSPF、DKIM、DMARCを適切に設定し、受信するメールにもこれらの認証技術が適用されているかを確認します。(gmailのヘッダー情報で確認することができます。)

不審な内容に注意:

メールの内容に不審な点がないかを注意深く確認し、特に個人情報の入力や金銭の送金を要求するメールには慎重に対応します。

まとめ

技術的に言えば、なりすましメールは、メールの送信元メールアドレス(ヘッダーFrom)に記載されたドメインと実際の送信サーバーのドメインが一致しない場合に発生します。SPF、DKIM、DMARCといった認証技術を使用することで、このようななりすましを防ぐことができます。メルマガ配信をする際は、なりすましメール対策を施してたメール配信システムご利用下さい。

また、メールが届かない原因の全体像は、メールが届かない原因と対処法でまとめて解説しています。


送信元メールアドレス(ヘッダーFrom)についてのお話

2024-06-07 [記事URL]

昨今のメール配信においては、プロバイダー側での迷惑メール対策が強化されてきております。

そこで、皆様がメルマガを発行する際に送信元メールアドレス【ヘッダーFrom(Header-From)】は何を使用しているでしょうか。

フリーメールサービス(例: Gmail、Yahoo、Outlookなど)は、広く利用されており、そのドメイン(@gmail.com、@yahoo.com、@outlook.com)で使用できるメールアドレスを使用していないでしょうか。

メール配信システムを利用してメール配信を利用すると大抵は、メール配信システム会社のメールサーバーを利用することが多いと思い生ます。

その場合、送信元のメールアドレスで無料のメールアドレスを使用するとなりすましメールと判断され、迷惑メールフォルダに入る確率が高くなります。

メルマガ配信をされる方は、必ずドメインを取得(有料)して、メール配信をするようにしてください。

独自ドメインをお勧めする最大の理由は、SPF(Sender Policy Framework)、DKIM(DomainKeys Identified Mail)、DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting & Conformance)などのメール認証技術をカスタム設定をすることができるからです。

※ドメインを取得しないとSPFレコードなのどのメール認証技術は行えません。

メール認証技術をカスタム設定を行うことにより、送信したメールを迷惑メールフォルダに入ってしまうことを防ぎます。

※メルマガ配信者は、メールアドレスが存在しな等の配信不能のメール数は把握できますが、メールが迷惑メールフォルダに入ってしたかどうかを確認するこはできませんので、メールのクリック率等で、日々確認しながらメール配信を行ってください。


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